「体が硬くてもヨガをできますか?」というご質問をよくいただきます。もちろん、大丈夫です!
身体が硬いと思っている人は70分のレッスン後、目に見える変化を実感され大変喜ばれます。
前屈を深めるためには身体への意識が必要です。本当に深い前屈をするにはしっかりと筋力を使います。
身体が硬いと思っている人の方が前屈の感覚をつかみやすいこともあります。
身体を使うための各部分への微細な感覚を意識するほど、どんどん深い前屈ができるようになっていきます。
今日は初心者の方や体の硬いと思っていらっしゃる方、男性の方も無理なく前屈を深められるようになる方法をご紹介します。
柔軟性のある方にも役立つ知識です。
このポーズのセラピー効果
ふくらはぎ、ハムストリング、背中を伸ばす
消化促進、精神安定
更年期障害、生理痛の軽減
頭痛を和らげる
高血圧の改善
不眠症の改善
などさまざまなメリットがあります。
無理なく練習して柔軟性を手に入れましょう。
まずは骨盤を立てて正しく座ることから解説していきます。
〈まずは骨盤を立てましょう〉
~身体が硬い人は~
骨盤を立てるために必要な分だけ、自由に膝を曲げましょう。膝が伸びることよりも背中や腰が正しく伸びることを優先します。
(背中が丸まった状態で前屈を深めようとすると腰や背骨に負担がかかり、さらに硬くなってしまうことも。早く柔軟性を高めたい人ほど、無理のないフォームで、呼吸を大切に動きましょう。
息を吐くときに筋肉を伸ばしやすくなります。ゆったりとした呼吸を行うのも柔軟性を高める近道です。)
足幅は骨盤幅か、お尻の幅に開くと無理なく行えます。
~もっと快適に無理なく行うには、骨盤を立てるために道具を使う~
骨盤(座骨)の下に折りたたんだブランケットやバスタオルを置くと骨盤をまっすぐ立てやすくなり、背中が丸まらずに前屈ができます。骨盤が後ろに傾かなくなるまで、たくさん重ねて大丈夫です。それでも骨盤を起こすのが難しい人は、そこから膝を曲げて調整しましょう。
正しいフォームで動くことが、柔軟性を高める近道です。~座り姿勢をつくる~
息を吐く時にお尻・座骨の手前の腿の筋肉で床を押しましょう。
吸って背骨を伸ばし、背骨と背骨の間一つずつにスペースを作ります。
肩や首の力を抜きます。(肩甲骨から下げると肩の力が抜けます。)
一度肩を後ろで集めて肩甲骨の下の方を寄せて、胸を開きましょう。
吸う息のタイミングで軽く上を見上げます。目線の動きで背骨が動きます。体の前面、胸の背骨を開きましょう。
体の背面の筋肉を下方向に下ろし緩めましょう。腰に圧迫やつまりがないよう、尾骨をまっすぐ床に下ろし、下腹の引き締まり、引き上がりを感じましょう。
背骨を伸ばし、尾骨と頭頂が反対方向に引き合うように身長高く保ちます。
足裏全体で遠くの壁を押すように、足裏に力を入れまし
ょう。親指の付け根(母指球)、小指の付け根、かかとの内側と外側を押し出し土踏まずを引き上げます。この力を使いながらくるぶしの周りの筋肉を引き上げ、膝頭の筋肉と前腿の筋肉を引き上げます。
床との接地面で強く床を押しましょう。
☆ここまでがすべて行われて、正しく座ることができているだけでも完璧な前屈です。しっかりと内側や前面の筋力が使われ、程よく背面が伸ばされています。なので無理に前に進もうとせず、呼吸が深くできている姿勢を優先しましょう。
準備ができたらここからスタート☆
〈前屈は筋力〉
息を最後まで吐いてお腹を凹ませた時、お腹が薄くなっている時に、前屈の伸びしろができます。
吸って背骨を伸ばして目線も軽く上へ、胸の背骨を開きます。
吐きながら骨盤から(足の付け根から)前屈します。このとき首が下を向かないようにします。(首を前屈させると背中・腰が丸まりやすく骨盤からの前屈が行いにくくなります。)
イメージは床におでこをつくよりも床にあごや胸や首の前面を下ろす感覚。
最後まで吐きながらお腹の内側への引き締まりを感じ、薄いお腹と腿を近づけましょう。
呼吸に合わせてより動作を深めたい人は、吸いながら背骨をそらせるように胸をひらき、吐いて脚の付け根から前屈、これを呼吸のペースで繰り返しましょう。
だんだん背骨が動いて二つ折りになる動作が深まります。
〈たくさん曲げたり、無理に伸ばそうとしないこと。大切なのは呼吸です。呼吸が深まると自然と動作も深まり、そして背骨を伸ばし股関節から曲げる練習で柔軟性が高まります。〉
~さらに深めたい人は~
床との接地面で強く床を押します。まずは吐く息でお腹をうすく、次の吐く息でお尻や骨盤や腿の裏側の付け根を強く床へ下ろし、さらに次の吐く息が来たらふくらはぎ(膝を曲げている人はかかとを)を強力に床へ押します。
このときまっすぐ真下へ押しましょう。
上半身は肋骨をさらに遠くへ持っていきましょう。骨盤と肋骨を引き離して、腰骨を長く保ちます。頭頂を上に伸ばしている人は肋骨を骨盤から上に引き離し、頭頂を前に伸ばしている人は肋骨を床の遠く前方へ、背骨の長さを最大限に伸ばしましょう。
腰を丸めず胸の背骨を開き、背面は下方向へ下ろすように緩めましょう。
吸って気持ちよく背骨を伸ばし、身体のスペースに新鮮な呼吸をたっぷりと取り入れ、疲れやストレスや毒素を吐ききるイメージで呼吸を続けましょう。
いかがでしたか?
前屈というと、初心者の方は手が足につくのを目的に無理に身体を引っ張ろうとしがちですが、より良く身体に効かせる方法を少しでもつかんでいただけたらと思います。正しく動かす前屈では、皆さんが思っている以上に筋力を使いますし、身体に働きかけるメリットがあります。
前屈のメリットや心への働きかけ、後屈についても追ってご紹介しますね。
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ヨガに出会って、大好きなヨガで独立。
初心者ヨガから、教科書には載っていないヨガを発信しています。初心者からでも卒業後のインストラクター活動率100パーセントのヨガスクール、イルソーレ主催。ヨガ講師養成・フィットネスクラブやその他施設のヨガ人材育成など、ヨガで夢を叶えるサポートを行っています。スタジオレッスン、講話、企業や病院等への出張、シニアヨガ記事の寄稿など行い、リトリートやワークショップ講座のご依頼等、出来る限りお応えするようにしています。
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